Apptronik Apollo完全ガイド|71 DOF業界最多・Mercedes/GXO実績・$55億評価と$5万量産戦略【2026年】

Apptronik Apollo 徹底解説 個別企業・製品

(最終更新: 2026年4月19日)

この記事のポイント
  • Apptronik Apolloは身長173cm・重量72.5kg・可搬25kg・71 DOF(業界最多クラス)の産業用ヒューマノイド
  • Mercedes-Benz(2024年3月〜パイロット)・GXO・Jabilなど大口商用パートナーを確保
  • 2026年3月に$5.2億調達で累計$10億超、企業価値は$55億に到達(Google主導、日本郵政キャピタル参加)
  • 量産時の目標価格は$5万未満で業界最安水準、RaaSモデル併用で導入障壁を最小化
  • ホットスワップバッテリーで1日22時間稼働(実質24時間運用可能)

Apptronik Apolloとは

Apptronik Apollo(アプトロニク・アポロ)は、米テキサス州オースティンに本社を置くApptronik社が開発する汎用ヒューマノイドロボットです。2016年にテキサス大学オースティン校のHuman Centered Robotics Labからスピンオフして設立され、CEO兼共同創業者はJeff Cardenas氏、共同創業者にNicholas Paine氏、アドバイザーにLuis Sentis教授が名を連ねます。

NASA Valkyrieの開発に従事したメンバーが多く在籍し、安全設計と器用な動作が強みです。2023年8月にApolloを発表して以来、Mercedes-Benz・GXO・Jabilなどの大手顧客を取り込み、わずか1年強で累計$10億超を調達する急成長企業に変貌しました。

2026年3月には$5.2億のSeries A+ラウンドを完了し、企業価値は$55億に到達しました(Robozaps)。

Apollo スペック

項目値
身長173 cm(5’8″)
重量72.5 kg(160 lbs)
可搬重量25 kg(55 lbs)
自由度71 DOF(業界最多クラス)
バッテリー駆動時間4時間/パック
バッテリー交換ホットスワップ対応(5分未満)
1日稼働時間最大22時間
歩行速度3.4 km/h(2.1 mph)
コンピュートNVIDIA Jetson AGX Orin + Jetson Orin NX(275+ TOPS)
AIフレームワークNVIDIA Project GR00T
安全機能衝突回避、安全ゾーン設定、衝撃ゾーン(即停止)、緊急停止ボタン
目標価格(量産時)$5万未満
ビジネスモデルRaaS(Robot-as-a-Service)
発表年2023年8月

出典: Robozaps / Apptronik公式 / IEEE Spectrum

競合との比較

機種自由度可搬目標価格主要顧客
Apptronik Apollo71 DOF25 kg$5万未満Mercedes, GXO, Jabil
Figure 02非公開20 kg非公開BMW
Tesla Optimus40+ DOF20 kg$2〜3万(目標)Tesla自社工場
Agility Digit28 DOF16 kg$25万(現行)GXO, Toyota
1X NEO非公開非公開$20,000(予約)家庭向け

Apolloの71 DOFは業界最多クラスで、手の器用な動作が必要なケースピッキング・パレタイズ作業に強みがあります。詳細は「ヒューマノイドロボット比較表」もご覧ください。

商用実績

Mercedes-Benz — 自動車製造ライン

2024年3月、ApolloはMercedes-Benzの製造現場でパイロット導入を開始しました。Mercedes-Benzは出資者でもあり、戦略的パートナーとして長期運用を想定しています。

GXO Logistics — 倉庫R&D

GXOとは多段階R&D倉庫イニシアチブを展開中。Agility Digitと同じくGXOが実運用データを蓄積する重要パートナーで、物流カテゴリーでの熟成を進めています。

Jabil — 製造+導入の二重関係

電子機器受託製造大手のJabilは、Apollo自体の製造パートナーであると同時に、Jabilの自社工場にApolloを導入するという二重の関係を築いています。2025年2月には「Apolloが自身の組み立て工程の一部を実行するデモ」が公開され話題になりました(TechCrunch)。

対応ユースケース

| 分野 | タスク | |——|——–| | 3PL / 物流 | トレーラー荷下ろし、ケースピッキング | | 小売 | パレタイズ、仕分け | | 製造 | マシンテンディング、ライン補充 |

資金調達と企業価値の急拡大

Apptronikの資金調達は、業界でも類を見ないスピードで進みました。

年月ラウンド調達額企業価値主要投資家
2025/02Series A$3.5億—B Capital, Capital Factory主導、Google参加
2025/03Series A追加累計$4.03〜4.15億—日本郵政キャピタル参加
2025/11——$50億到達—
2026/03Series A+$5.2億$55億Google, Mercedes-Benz等

約1年強で累計$10億超を調達したペースは、Figure AI($19億、4年間)、Agility($6.4〜6.8億、10年間)と比較しても極めて速い成長カーブです。CNBC Disruptor 50にも2025年6月に選出されています(CNBC)。

日本との関係

2025年3月のSeries A追加ラウンドに、日本郵政キャピタルが参加したことが大きな話題となりました(BRIDGE)。

日本郵政キャピタル小倉氏はApptronikについて、「物流を優先し製造にも拡大する実務志向が、日本市場で成功するために重要」とコメント。日本の郵便・物流業界への将来的な導入の布石と見られています。

2026年4月時点で日本法人は未設立、国内導入事例もまだありませんが、日本郵政グループ経由での実証実験が期待されています。

Apolloの技術的強み

71 DOFの圧倒的な自由度

Figure 02やTesla Optimusが40〜50 DOF前後の中、Apolloは71 DOFを実装。手指・手首・肩・腰まで細かな動作が可能で、「人間の労働を代替する」という目標に最も近いハードウェアと評価されています。

ホットスワップバッテリー

5分未満でバッテリーパックを交換できる仕組みにより、1日22時間稼働を実現。実質的な24時間運用が可能で、3シフト制工場での投資対効果が高い設計です。

NASA Valkyrieの系譜

チームメンバーにNASA Valkyrie(ヒューマノイド)開発経験者が多く、宇宙環境での安全設計知見が民生機にフィードバックされています。衝突回避・安全ゾーン・衝撃ゾーン・緊急停止の4層セーフティは業界最高水準です。

投資家視点

Apptronikへの直接投資は未上場のため困難ですが、以下の間接Exposureが可能です:

  • Alphabet(GOOGL): Google主導投資家として最大株主級
  • Mercedes-Benz Group(MBG.DE): 出資+商用顧客
  • SoftBank(9984): 同社系のヒューマノイド銘柄(関連銘柄48社一覧参照)
  • ヒューマノイド専用ETF HUMN: 現時点ではApptronikは未上場のため組入なしだが、将来IPO時に組入予定

よくある質問(FAQ)

Apptronik Apolloの価格はいくらですか?

量産時の目標価格は$5万未満(約750万円)で、ヒューマノイドロボット業界では最安水準です。現時点ではRaaS(Robot-as-a-Service)モデルでの提供が中心で、月額サービス費用は非公開。Mercedes-Benz・GXO・Jabilなどの大口顧客向けに個別契約されています。

Apptronikは日本で購入・導入できますか?

2026年4月時点で日本法人は未設立、国内導入事例もまだありません。ただし2025年3月に日本郵政キャピタルがSeries Aに参加しており、日本郵政グループの物流拠点への導入実証実験が将来的に検討される可能性があります。

Apolloの自由度71 DOFは何ができるのですか?

71 DOFは手指・手首・肩・腰・脚まで人間に近い可動域を持つ設計です。これにより、ケースピッキング、パレタイズ、マシンテンディング、ライン補充といった「器用さが必要な作業」を得意としています。Tesla Optimus(40+ DOF)やAgility Digit(28 DOF)と比較して細かな動作ができる点が差別化要素です。

Apptronikは上場していますか?

Apptronikは2026年4月時点で未上場です。企業価値は$55億(Series A+完了時点)で、2026〜2027年頃のIPOが市場で期待されています。個人投資家が間接Exposureを持つ方法としては、Alphabet(GOOGL)、Mercedes-Benz(MBG.DE)、SoftBank Group(9984)の株式保有があります。

Apolloの競合ライバルはどこですか?

物流・製造カテゴリーではAgility Digit、Figure 02、Boston Dynamics Atlas(電動版)が主な競合です。特に「倉庫内ピッキング」ではAgility DigitがGXO 10万トート搬送の先行実績を持ち、Apolloはパイロット段階から商用展開への移行期にあります。詳細比較は「ヒューマノイドロボット比較表」をご覧ください。

まとめ

Apptronik Apolloは、業界最多クラスの71 DOFと1日22時間稼働というハードウェア性能、$5万未満の量産価格目標、そしてMercedes-Benz・GXO・Jabilといった大口顧客ラインナップで、ヒューマノイド業界の「器用さと量産経済性を両立」を狙う最有力プレイヤーです。

Googleがリード投資家として入り、わずか14ヶ月で累計$10億超・企業価値$55億に到達したスピードは、Figure AIとApptronikが「米国ヒューマノイド二強」の構図を形成しつつあることを示唆しています。日本郵政キャピタルの出資により、日本市場への波及も中長期で期待できます。

ヒューマノイドロボット業界全体の企業比較については「ヒューマノイドロボット関連銘柄&企業48社一覧」で、他製品とのスペック比較は「ヒューマノイドロボット比較表」で確認できます。

参考文献